Wed 5 Nov 2008
10月最終週に出した予告の「本編」です。すっかり遅くなってしまってごめんなさい。
話題はスプリンググレンのスマートグロース。

スプリンググレンの時計屋さんと金物屋さん。日曜日に写真を撮ったので、寂しげな感じに映ってしまって残念。金物屋さんは、いつも店先に、あれこれ商品を出しています。ほんとに細々と、いろんなものを売っていて、ここでの買い物は、宝探しをするようで、楽しいです。
わが町ハムデン市が、スマートグロースのワークショップを、付け焼刃でやって、何やってんねん、とい感じのエッセーを、だいぶ前に一度書きました。そのときは、「こういう市民参加の何かをやりましたよ」と、市が言ってみせただけだと思っていました。あんまり、いいかげんな計画なので、これを本当の都市計画に使うとは、思えなかったのです。ところが、ところが!先日の、地元新聞を読んで驚きました。
ハムデン市は、昔からまとまった町があって、それが成長して市になったのではなくて、3つくらいの小さな集落を集めて、市にしたものです。ですから「これが町の中心」という場所がなくて(一応、、かわりに小さな中心がいくつかあります。その小さな中心には、八百屋、床屋、花屋、本屋、金物屋、ちょっとしたレストランなどの店が集まって、ちょっと古ぼけているけど、でもノスタルジックだともいえる様な、ほのぼのした街角をつくっています。スプリンググレンからホイットニーヴィルと呼ばれる地区は、そうした小さな中心のひとつです。
で、新聞を読んで驚いたというのは、この「ほのぼの街角」であるスプリンググレンを、スマートグロースの名のもと、用途地域指定を変え、高さ制限を緩めて、再開発を進めようと言う案を、ハムデン市が本気で出してきたのです。
写真を見て頂くとわかるように、今スプリンググレンに並んでいる店舗は、2階建プラス屋根裏くらいの高さで、一戸建て住宅と同じような大きさです。この店舗の後ろ側にあたる地区には、20世紀の前半に開発された住宅が、その質を保って、並んでいます。ニューヘヴンの初期の郊外だったのでしょうが、最近の郊外開発と違って、家と家の間隔がせまく、高密度です。細かい説明を抜きにしますが、スプリンググレンの現状は まともな都市デザイナーなら、「スマートグロースによる街づくりのお手本」と呼ぶような、かなり理想的な形をしています。何も手を加える必要がないのです。
じゃあ、手を加えて、スマートグロースによる都市計画をしなくてはならないのは、どういう場所か。低密度に郊外開発が進められて、住宅も店舗も全てが散在し、徒歩ではどこへも行けないような場所です。そういう地区に、昔あったような「小さな中心」を再現しましょう、というのが、スマートグロースの方針だといえるでしょう。ハムデンにも、街の北や西の端に行けば、そういう地区があります。
それなのに、何故スプリンググレンで、市は再開発をしたがるの?これはすごくわかりやすくて、「ここは住宅地として評価が高い(つまり良い値段で売れる)ので、用途規制を緩めれば、不動産業者が喜んで開発して、売上税やなんかで、市に税金がたくさんはいってくるから」です。ね、スマートグロースとは、何の関係もないんですよ。ああイヤになる。何となく流行の、都市計画用語を使えば、街並みを壊すことを、市民が許してくれると思ったんでしょうね。幸い地区住民が、かなり効果的に反対運動をしているそうなので、ちゃんとその声が、届くといいなと思います。(Y)
